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ウィリアム・ド・モーガン
2009年10月15日 発売

ウィリアム・ド・モーガン(1839-1917)はアーツ・アンド・クラフツ運動において最も重要な芸術家のひとりです。ロイヤル・アカデミーに学び、当時の装飾美術界をリードしていたウィリアム・モリスと親交をもったド・モーガンは、ステンドグラスの制作を始め、1872年には陶器やタイルを制作する工房を開設、陶器装飾の分野で一気に才能を発揮し、数多くの傑作を残しました。

1851年、ロンドンで初の万国博覧会が開催され、以降ヴィクトリア時代のイギリスは、世界一の工業生産力を確立し、経済的反映が最高潮に達しました。そのなかで、機械文明を批判し、手工芸が生活と深く結びつき、中世の手工芸を理想とした美術工芸運動であるアーツ・アンド・クラフツを唱えたモリスに同調したド・モーガンは、手仕事を強調しながら独自の製法を確立し、陶器用の新しい釉薬や絵具を開発、ラスター彩の再現に成功し、のちの陶器装飾の分野で重要な貢献をしました。

日本ではこれまでほとんど紹介されることのなかったド・モーガンの仕事の全貌を紹介し、近代デザインの源流であるアーツ・アンド・クラフツ運動を見つめ直す試みとして、本書が出版されることになりました。ヴィクトリア朝の建物を美しく彩ったタイルを中心に、タイルパネル、皿、壺など、華やかな作品148点を十分にお楽しみください。

79頁 | ウィリアム・ド・モーガン出版委員会・発行 /定価:1,524円(税抜)